私は古民家、町屋といった丁寧に作られた昔ながらの木の家が好きで、そのような家づくりをしたい方のお役に立ちたく住宅建築の世界に入りました。原点は、昭和初期に小さな武家屋敷を移築した祖母の家です。残念ながら、私がこの世界に入る前に親戚が建替えましたが、そのときの思いが高じて身を投じることにしました。
飛鳥時代に渡来人がもたらしたといわれる日本古来の木造建築の技術は、法隆寺でもわかるようにその時点ですでに極めて高水準なものでした。その後、建築様式、道具、材料など少しずつ変遷しながらも、第二次世界大戦後くらいまで広く受け継がれてきた木構造が伝統構法と呼ばれています。
この伝統構法に対し、戦後の高度経済成長期に「大量に安く」という狙いで確立したのが現在の木造住宅の主流となる在来工法(在来軸組工法)です。その後大手メーカーにより2×4工法(ツーバイフォー工法、モノコック工法)、パネル軸組工法、木骨工法(木質系ラーメン工法)、ドリフトピン工法などいろいろな工法が競い合うようになりましたが、これらを総称した現代工法と、先に述べた伝統構法は多くの点で異なる特性を有しています。
平成時代になってからは、伝統構法に携わった経験のある大工や左官等の職人の引退が進み、文化財改修以外で腕を振るう場所もほとんどなくなりました(今や宮大工の仕事すらも、中身は現代工法が主流になっている現状です)が、少ないながらも伝統構法を志す若い職人もいます。
どんな家や工法でも一長一短、いや三長三短くらいはあります。その中で、わたしたちは伝統構法という木材の耐久性をフルに引き出す木組みと土壁による家づくりにこだわります。歴史的背景や様々な気候風土により、伝統構法も様々な工法・構法がありますが、いずれも無垢材など自然素材にこだわる必要があり、職人が一つ一つの部材に対して手間と時間をかけてじっくりと取り組む必要があります。そのために、わたしたちは住まい手(住み手)と対話を尽くし、一人一人の暮らし方や生き方に合った住まいの形を実現いたします。
伝統構法は、必然的に手間暇をかける必要がありますので、住まい手の「こだわり」にもとことん付き合い、納得のいくものを子孫に残していければと考えています。手間暇がかかるぶん単価は高くなりますが、耐久性や暮らし心地等かけた金額以上の付加価値を提供いたします。次のような方は、ぜひわたしたちにお声がけください。
・合板や集成材や金物をできるだけ使いたくない!
・木の香りあふれる家に住みたい!
・できるだけ無垢の材料を使いたい!
・自然に還る家、サスティナブルな家に住みたい!
・大地震に強い家がいい!
・子、孫、ひ孫に家を残したい!
・家づくりに参加したい!
・自分で家のメンテナンス(補修)をしたい!
・古くなっても美しい家(古美る家)がいい!
・アレルギーや化学物質過敏症に悩まされたくない!
・土壁にしたい!
・珪藻土を使いたい!
・板壁にしたい!
・漆喰壁(しっくい壁)にしたい!
・筋交い、耐力合板、金物を使いたくない!
・石場建てにしたい!
・床下を高くしたい!
・軒を長くだしたい!
・風通しのいい家にしたい!
・調湿する家にしたい!
・気候風土に合った家にしたい!
・街並みになじむ家にしたい!
・レトロな家にしたい!
・南欧風のかわいい家にしたい!
・立派な階段にしたい!
・土間を広くとりたい!
・縁側が欲しい!
・囲炉裏(いろり)を作りたい!
・造り付けの家具にしたい!
・丁寧な手仕事をしてほしい!
・大工、職人と末永く付き合いたい!
・直営工事(分離発注:職人に直接発注)を行いたい!
・立派な大黒柱を使いたい!
・大きな梁をみせたい!
・天井を高くしたい!
・スキップフロアにしたい!
・天井を低くしたい!
・数寄屋や茶室のような家にしたい!
・座敷、床の間を作りたい!
・離れ、小屋、ガレージを作りたい!
・露天風呂を作りたい!
・竈(かまど)やピザ釜を作りたい!
・蔵(倉)を作りたい!
・古民家カフェ、蔵カフェをやりたい!
・古材や古建具を利用したい!
・古民家を改修・再生したい!
・古民家を移築したい!
・・・etc
わたしたちが手掛けたいのは、(建築家の)作品ではありません。住まい手(住み手)に最適なカスタマイズをした住まいです。
木乃設計庵WEBサイトでは、わたしたちが担う家づくりについて、シンプルな構成でポイントを絞って整備していきます。また、雑感やお知らせ等をこのブログ機能でときどき投稿していきます。ご興味を持たれましたら、遠慮なくわたしたちにお声がけください(相談は原則無料です)。